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日日トルネフ1131 [ ― 日日トルネフ]

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 ローカル新聞にあったコラム記事で知ったのですが、手塚治虫さん作の「どろろ」は、妖怪と48回の対決をするシノプシスであったにも関わらず、48回対決せずして(実際は何回なのでしょう?)完結している作品なのだそうです。どうも、手塚さんの気持ちが作品から離れてしまったことが、途中で完結させた主たる理由と記されていました。
 しかし中途半幅なことが幸いに転じて、この未完成具合があるが故に「どろろ」を偏愛する読者も多いそうです。

 その理由を想像すると、読者それぞれが個々に本当の結末を期待し、読者意識においては作品は完結しておらず、違う(ある意味で本当の)ドラマチックな結末が創られていると期待して、どろろの世界に没入しているからだと思います。
 これは自分勝手な推測ですが、間違いないのではないかと自信があります。何故なら、実は「どろろ」を断片的にしか拝見していない某も、結末どころか読んでいないその途中も愉しい作品であると感じ始め、本当の結末を楽しく創造していますから。