連日トルネフ1050

　笑わない数学は、某には「わからない数学」です。何度か見返さねばならず、したがって録画した番組の削除はできず、ハードディスクの空きを拡張できずにおります。

　abc予想の望月教授から番組スタッフに送られたメッセージに感服しました。そのまま引用しますと、「解説が成立するためには非常に高度な専門知識が必要であり、一般の数学者でもかなり厳しいものがあると言わざるを得ません。お熱意に水を差すようで恐縮ですが、以上の理由によりお断りさせて頂きます。」とのこと。

　「水を差す」という表現は、邪魔をする、とか、横槍を入れるというような意味があり、通常的に多用されています。「勝手に水を差しやがって。」とか「ここで議論に水を差すのはやめてください。」みたいな使い方をしがちで、刺々しく使いがちです。

　ですが、メッセージにあるように「熱意」に「水」を使うことが、正しい言葉の使い方のように思いました。言葉の定理に当てはめていらっしゃるとしては大袈裟ですが、秀でた方は、専門とされていることに限らず鋭利で、かつ、包容力があるように感じます。